これから運送業を開業しようと考えている方の中に、「トラック1台で運送業は開業できるのかなぁ…」このように考えている方はいませんか?
結論からお伝えすると、個人ではトラック1台で運送業は開業できません。本記事では、開業できない理由の解説と運送業の独立方法について解説しています。参考にしてみてください。
目次
1)トラック1台で運送業を開業できる?
2)運送業の独立方法
3)運送業の独立に必要な準備
①資格の取得
②運送業許可の申請
③車両の確保
④事務所の確保
⑤採用・教育
1)トラック1台で運送業を開業できる?
結論からお伝えすると、個人がトラック1台で運送業は開業できません。
運送業を開業するには、 運送業許可という許可が必要になります。 運送業許可には、様々な要件が設定されており、要件を満たして申請し、審査が通ると運送業許可が取得できます。
運送業許可の要件をお伝えすると、以下の通りです。
- 資格
- 人員
- 資金
- 場所
- 車両
車両の要件では、トラックを最低5台以上保有しなくてはいけないと定められているので、トラック1台では開業することができないとわかります。
ここからは、 運送業の独立方法や必要な準備について解説していきます。
2)運送業の独立方法
運送業の独立方法は以下の通りです。
- 個人で独立する
- 法人で独立する
- フランチャイズで独立する
それぞれの独立方法にメリットデメリットがあるので、自分に合った独立方法が選べるように、内容をしっかり確認しましょう。
2-1)個人で独立する方法
運送業を個人で独立する場合は、税務署に開業届を申請するだけで独立可能です。
開業費用がほとんどかからないのが、個人で独立するメリットです。ただ一方で、個人事業主は社会的な信用が低いので、金融機関からの融資を受けにくいデメリットもあります。
▼こちらの記事では、個人事業主として開業をする際の開業届の提出方法を紹介しています
開業届の提出方法│個人事業を始める際の必要書類とは?
2-2) 法人で独立する方法
法人で独立する場合は、会社を設立すると独立可能です。
会社を設立する場合、登記手続きなどの複雑な手続きがいくつもあり、個人で独立するよりも時間とお金がかかるデメリットがあります。ただその一方、法人で独立するメリットは以下の通り、たくさんあります。
- 個人よりも社会的信用が高い
- 金融機関から融資が受けやすい
- 個人事業主よりも節税対策ができる
- 法令試験の受験が1回で済む
2-3)フランチャイズで独立する方法
運送業のフランチャイズとして独立する方法もあり、以下のようなメリットがあります。
- 初期費用が安い
- 経営に必要なスキルが身に付く
- フランチャイズ本部のブランド力やノウハウが利用できる
- 業務に必要なものを負担してもらえる
運送業で独立する場合、初期費用で数千万円程必要と言われていますが、フランチャイズで独立すれば、数百万円程に抑えることも可能です。
▼こちらの記事では、フランチャイズの仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説しています
フランチャイズとは?今さら聞けない仕組みやメリットを解説!
3)運送業の独立に必要な5つの準備
運送業の独立には以下の準備が必要です。
- 準備①:資格の取得
- 準備②:運送業許可の申請
- 準備③:車両の確保
- 準備④:事務所の確保
- 準備⑤:採用・教育
ひとつずつ解説していきます。
①資格の取得
運送業を開業する際は、まず資格を取得しなくてはいけません。運送業で必要な資格は、どの種類の事業を開業するかによって異なります。
以下では、事業の種類や特徴と対応する必要な資格を解説します。
一般貨物自動車運送事業
一般貨物自動車運送事業では、以下2つの資格が必要です。
・運行管理資格(業務用車の安全運行を管理するスペシャリストである事を証明する資格)
・整備管理資格(自動車の点検・整備や車庫の管理などが行える事を証明する資格)
一般貨物自動車運送事業では、運行管理資格所有者と整備管理資格所有者を配置しなくてはいけません。
試験や手続きなど、詳しい情報は国土交通省・東京運輸支局のページで確認できます。
貨物軽自動車運送事業
貨物軽自動車運送事業では、整備管理資格が必要です。
一般貨物自動車運送事業は、運送で使用できる車両の種類が豊富なのに対し、貨物軽自動車運送事業では、運送の際に使用できる車両の種類が、軽トラックやバイクに限定されているという違いがあります。
また、営業所に所有する軽トラックなどの軽貨物車が10台を超えると、整備管理資格取得者を設置する必要があるので、注意が必要です。
②運送業許可の申請
一般貨物自動車運送事業として開業する場合は、「運送業許可」という許可を取得する必要があります。運送業許可を取得するには、 以下の要件を全て満たす必要があります。
- 資格
- 人員
- 資金
- 場所
- 車両
要件の詳細な内容は、国土交通省のホームページを参考にしてください。
一方、貨物軽自動車運送事業で開業する場合は、運送業許可がなくても開業することが可能です。
▼こちらの記事では、運送業許可を取得するための方法を詳しく紹介しています
運送業に必要な許可って何?知っておくべき許可と要件を解説!
③車両の確保
一般貨物自動車運送事業として独立する場合は、最低でも5台の車両が必要です。
車両ならなんでもいいわけではなく、 軽自動車以外の車検場で用途欄に「貨物」 と記載されているトラックでないと、カウントの対象にならないので注意しましょう。
④事務所の確保
運送業許可を取得する場合、事前に事務所を用意する必要があります。
運送業許可の要件には、営業所や休憩室、駐車場の広さが定められているので、事務所の物件を決める際は、要件を確認してから決めましょう。
⑤採用・教育
運送業許可を取得する場合、所定の人数の従業員を揃える必要があります。
ただ従業員を揃えるだけではなく、 採用した従業員の教育も行う必要があるので、 開業する予定の方は、オーナーとしての知識やスキルも身につけておきましょう。
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