【猛暑なのにエアコンが故障!】ガス漏れ疑いの現場に修理のプロを呼んで診断からガスチャージまでをフル解説してもらった<掃除&設置工事にも役立つ>|神奈川

【エアコン修理】くらしのマーケットの人気店がノウハウを解説します! 今回は「エアコンが冷えない」というお問い合わせがあった実際の現場で、診断(原因の特定)から実際のガスチャージのやり方まで、エアコン修理の一連の作業を見せていただきました。

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目次

オープニング
今回のご依頼内容
診断の前にやること
停止圧力を計測
室内機を再び冷房運転
運転圧力を計測
過熱度計算をする
停止圧力の考え方
ガス回収
ガス漏れの原因を考える
室外機の配管を接続し直す
室内機の配管を接続し直す
真空引きをする
真空試験をする
室外機の真空引きをする
冷媒ガス充填の準備
電源を入れて冷房運転をする
冷媒ガスを充填する
過熱度計算をする
温度を確認する
エンディング

オープニング

コタキ
今回は実際のお客様の現場に来ています。
今回はお客様からどういったご依頼をいただいているんですか?

今回のご依頼内容

海老澤
「エアコンが冷えません」「お部屋が冷えません」というお問い合わせをいただきまして、実際にお客様のご自宅にお邪魔させていただきました。

コタキ
どういった原因が考えられそうですか?

海老澤
ざっくり分けると冷媒系統の故障、もう一つは電気系統の故障です。今回の場合だと、冷媒系統の故障、つまりエアコンのガス漏れが起きている可能性が高いなと事前のヒアリングの時点で判断したので、実際に現場に来て修理をさせていただくという流れになります。

コタキ
実際に作業を見せていただきたいと思います。

診断の前にやること

海老澤
早速診断をしていきたいなと思います。今、実際にお客様のお家の不具合が起きているエアコンの前にいます。まず最初にやっていただきたいことは設定温度を最低にしてください。そして、風量MAXにします。

2023-08-15 12.15.52

お客様が言う「エアコンが冷えない」というのは「お部屋が冷えない」ということなんです。中には、設定温度だけの問題など、そういったこともあるんですね。まずは温度を下げた状態で本当に冷えないのか実際の確認をしていきます。ここで使うのがサーモアネモメーター(CUSTOM)ですね。

2023-08-15 12.18.05

温度だけじゃなく風速も測ることができます。温度を測るのは普通ですが、風速まで測っていたら、ちょっとプロっぽいですね。おすすめでございます。2万円します。
お部屋の温度を最初に測っていきます。28℃弱ぐらいですね。

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そこからの吹き出し温度の差を見ていきます。どれぐらい冷やす力があるのかということですね。今、上が風速です。4.9m、風はしっかり出てます。

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温度は24.6℃です。室温が28℃くらいに対して、吹き出し口の温度が約24℃なので、-4℃弱くらいのパワーしか出てません。今、設定温度は18℃、一番最低の温度でその部屋の温度に対して-4℃ぐらいしか冷えていないということは、やはり全然冷えてないですね。実際は最低でも-8℃、できれば-12℃ぐらいは欲しいところなので、やはりエアコンの効きが悪くなっているということが起きています。ここからさらに精密な診断をしていくんですが、前回ガス漏れ修理の動画を出した時はあくまで、再現したガス漏れなんですね。今回は実際にガス漏れが起きている現場なんですね。ガス漏れというのは、100%直せるわけじゃないんですね。やっぱり診断が本当に命です。診断が命なので、間違った診断で修理してしまうと、逆にエアコンを壊しちゃったり、そういったことにも繋がりかねません。なので今回も文字数多めの動画になると思います。
1回エアコンの運転を止めます。「電線繋いだ状態でやってるんですか?」みたいなコメントをいただくことがありますが、必ず外してください。「感電しないんですか?」とか言われますけど、外しましょう。その時、ちゃんとルーバーが閉まった状態で外してください。ちゃんと閉まった状態でしないと、バチッと過電流が流れて基板を壊しちゃうことがあるので、閉まった状態で必ず抜いてください。この状態で室外機を見ていきましょう。

停止圧力を計測

海老澤
室内機の電源を止めて、室外機を見ていきたいと思います。ここから実測ですね。まずは、基本的に室外機の点検をしていく時はサイドのボックスを開けていきます。

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だいたいビスが1、2本ぐらい、多いのだと3本くらいあったりします。
ここの弁ですね。

2023-08-15 12.34.09

これが2方弁(上)、3方弁(下右)、ここがサービスポート(下左)という呼び方になります。まず、このエアコン自体の配管の中のガス圧力を見てみます。サービスポートを開けました。
今、私はゴム手袋でやってるんですが、必ず冷媒配管を触る時は革手袋を使ってください。非常にやりづらいです。
ここで必要なのがこちらのゲージマニホールド(TASCO)です。

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要はガス圧計ですね。ガスの圧力を測るのにゲージマニホールドとチャージホースを使っていきます。この時に注意点が一つあります。今回作業する場所は、地面は防水されていてすごく綺麗な場所なんですが。例えば砂だったりなど、そういった現場もあるんですね。そういった時にホースの先が地面に付いちゃうと、例えばガス漏れ修理をしてガスを入れるという時にゴミや砂などが入っていっちゃうので、その点気をつけてください。
次はホースの接続です。曲がってる方とストレートの方だったら、ストレートの方をマニホールドに付けます。

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現在の気温は40℃を超えてます。暑いです!
まず、真ん中に黄色いホースを接続します。次に青いホースです。先っぽにチャージバルブが付いてます。

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こっちも、ストレートの方をマニホールドに接続します。手締めでOKです。
そしてここ、大事なポイントです。ピンクのダイヤルでいうところの「OPEN」 「CLOSE」って書いてあります。

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これを必ず「CLOSE」にしてください。「CLOSE」にするとこのピンが下がった状態です。要は縁が切れた状態になるんですね。この状態で必ず接続してください。「CLOSEの状態で接続」と覚えてください。「OPEN」の状態で接続すると、中に入ってる冷媒ガスが全て手元で逆噴射します。本当に危険ですので、必ず「CLOSE」の状態で接続と覚えてください。青いホースを室外機に接続していきます。

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ここも意外と難しいです。ただネジを締めるだけだろうと思うんですが、すごく精密なので。この時、手で締めるんです。てこを使ってグッと上げて閉めるみたいなことをやりたくなる人が多いんですが、そうすると中のゴムがねじ切れてさらにチャージバルブが痛んでしまう原因になるので、やらないでください。手締めでOKです。覚えておいてください。バルブの辺りの緩みもチェックします。
そしたらこのホースの中に空気が入ってますので、その空気を抜いていきます。真空ポンプです。

2023-08-15 12.51.13

アサダさんの真空ポンプですね。マキタさんの真空ポンプもあります。黄色いホースを真空ポンプに接続します。この接続ですね、流れとしては。

2023-08-15 14.05.13

それから電源を入れていきます。電源をオンにして、真空引きをしていく時はルールがあります。真空ポンプ側から弁を開いていきます。それで黄色いホースまでが真空引きされました。今度は青いホースの弁を開いていきます。

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そうすると、サービスポートまでが真空引きされました。室外機の配管の中はもうすでに真空状態なはずなので、この状態で実際のガス圧を測っていきます。真空引きが終わったら、今度は室外機側から弁を閉じていくと覚えてください。これをちゃんと守れば、手元でガスが噴出したりそういったリスクを最小限に抑えることができるので、必ず守ってください。室外機側で一番最初の弁がマニホールドの青い弁なので、これを閉じます。それから真空ポンプの弁を閉じます。そして、電源を落とします。今、真空計が‐0.1MPaという数値になってます。これが要は真空状態ってことですね。真空状態を教えてくれてます。
ここからチャージバルブを接続していきます。そうすると、配管の中の冷媒ガスが一気にマニホールドまで行きます。針が動きます。

2023-08-15 14.12.28

1.7MPaです。正常値がだいたい1.5MPa前後と言われてるんです。実際伺った症状としてはガス漏れが近いなと伺っております。現在今非常に暑いです。暑いので気温が上がると、ガスの圧力も上がるんですね。そこを加味すると、言ってしまえば正常値が出てるんですが、こちらは今、停止圧力です。エアコンが止まった状態の圧力なんですね。「1.7MPa、正常」と今この時点では覚えておいてください。ここからもっと精密な診断をしていくので。そうしたら一旦室内機の方に行きます。

運転圧力を計測

海老澤
コタキさん、見てください。もう計器を見る前に、出ましたよ!コタキさんの大好きな真夏の雪です。

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これはガス漏れの典型的な例ですね。そしてもう一個見ていただきたい点が配管の圧力ですね。先ほど1.7MPaに針が指していましたね。その数値は今の気温から見ると正常値なんですね。ただ現在運転している時の配管の圧力は正常値が0.8から1.0の間です。ただ今日めちゃめちゃ暑いのでそれがちょっと上がって1.0から1.2の間ぐらいが正常値というイメージになってくるんですが、現在の数値は0.45MPaぐらいですね。

2023-08-15 14.24.55

正常値からすると大体半分以下ぐらいの数値になってます。なのでガス漏れが起きていると判断していただいて大方間違いはないですね。ここで「これはもうガス漏れですね」と言ってしまうと、またすごく詳しい空調のプロの方達が「おいおい、ちょっと待てよ」と。「ガス漏れ以外にも配管の詰まりとか折れとか見た方がいいんじゃねぇの?」とそういうドヤりが絶対ありそうなんです。もちろん、可能性としてはそういったこともゼロではないんですが、一般的な家庭のルームエアコンの使用状況を鑑みるにもう99%くらいは、何らかの事情によってガス漏れが起きていると判断して間違いないです。なので、今回は霜付きと配管の圧力というところに数値がはっきり出てます。判断としてはしやすいんですが、実際の現場っていうのは例えばここで0.8MPaを指してくるんですね。配管の霜付きもちょっと落ち着きましたね。

2023-08-15 14.28.55

パッと見では分からないですよね。ルームエアコンは、配管の圧力でガス漏れが起きてる起きてないという判断をしやすいと言われてるんです。ただこの時期に関しては、実際の現場ではちょっと隠してきます。圧力を誤魔化してくることがあるんですね。なのでそういった時に今回はまた違う診断の方法を紹介したいです。

過熱度計算をする

海老澤
これは、前回のガス漏れ修理の動画よりもさらに精密な診断になるので、ぜひそこは見ていきたいと思います。そこで使うのが配管温度計(TASCO)ですね。

2023-08-15 14.31.18

計算式で、運転の温度が正常かどうかを見ていく「過熱度計算」です。まず過熱度計算の方程式というのがあります。

(圧縮機吸入管温度)-(蒸発温度)

「圧縮機吸入管温度」って何ですかというと、室外機の中には圧縮機、要はコンプレッサーと呼ばれるエアコンの心臓部があります。その心臓部が吸い込んでいる冷媒の温度をまず測ります。もちろん教科書通りのやり方をすると別の方法です。圧縮機吸入管温度、つまりどこですかというのは測りやすいところ、3分管の温度です。

2023-08-15 14.39.23

すごいですね、33℃。熱いですね。32℃ぐらいになってます。今、3分管の温度を見たんですが、詳しい方が見ると「おいおいおい」と「海老澤、お前勘弁してくれよ」「圧縮機吸入管温度でなんで3分管の温度調べてんだ」とそういうドヤりの方いらっしゃると思うんですが。確かに実際に測るのは圧縮機を裸にしてその吸入口があるので、そこにポチッと当てる必要があるんですが、やはり、一旦バラす必要があります。室外機を一回バラすというのは、それはそれでリスクなんですね。長年ちょっと傾いたところに置いてたりとかすると、例えば金属が歪んでたりとかそういったこともあります。1回バラしちゃうと例えば蓋が閉まらなくなったりそういったリスクもあるので、圧縮機の手前で一番測りやすいところだと3分管の管のところですね。なので基本的にはここで計算するようにしています。これは教科書通りではないです。ただ、ほぼ数値としてはそこまで変わりのない数字なので、これが圧縮機吸入管温度ですね。今32℃という温度が出ました。
室外機が今、異常停止してしまったので、先ほどの記憶でいきましょう。0.55MPaという運転圧力でした。蒸発温度っていうのは表を見ないとわかりません。なのでダイキンのHPなどでその冷媒ごとの圧力に対しての蒸発温度の表があります。

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これで、先ほどの圧力、仮に0.55MPaだとすると蒸発温度が-12℃という数字になります。ここで計算をしていきます。圧縮機吸入管温度は32℃でした。

32 ‐(-12)=44(プラスになるので44℃)

過熱度44という数字が出てきます。この正常値というのは5±3の範囲です。つまり2℃から8℃ということですね。2℃から8℃が正常の過熱度という形になります。今、44ですね。これはだいぶ過熱気味という計算になります。ガス漏れが起きていると過熱度が高くなります。これを覚えておいてください。実際の夏場のガス漏れ修理の現場では、やはり配管の圧力だけでは判断しがたい現場というのが多々あります。そういう時にこの過熱度計算ができないと「あれ?圧力は問題ないからガス漏れじゃないな」というような間違った診断をしてしまいますので、必ず夏場のガス漏れ診断には過熱度計算をしてください。では、現在過熱運転になっています。ガス漏れが起きています。ここからなんでガス漏れが起きたのかの調査と実際の修理というのをやっていきたいと思います。

停止圧力の考え方

海老澤
ここで一つ疑問が残りますね。停止圧力の時はほぼ正常値が出てました。運転圧力になるとガス漏れの数値が出ましたね。正常値が出てた停止圧力は何だったの?というところなんですが。停止圧力というのは、ガス漏れ診断には向いてないんですね。実はガスが漏れてたとしてもほぼ正常値を出してきます。だいたい30%以下ぐらいになってくると停止圧力も下がってくるんですが、だいたい今回、多分ガス残量が40%とかあると思うんですが、その状態だとやはり正常値を出してくるんですね。なのでガス漏れ診断の時に停止圧力というのは判断基準には全く向いてないです。

2023-08-16 16.15.23

なんなら見る必要もないぐらいの数値の一つになってきます。なので、必ず運転圧力で判断するようにしてください。

ガス回収

海老澤
今、ガスの回収が終わりました。ガスの回収に関しては、また別の動画で見ていただきたいなと思うんですが、結果からするとこのエアコンに入っていたガスは230gでした。230gのガスを回収しました。本来入ってるガスは500gなので、単純計算だと46%のガスしかなかったということですね。46%の状態になってるとやっぱり効きが悪いなと。「でも若干冷えるんだけど」っていうのがそのぐらいの域というのをなんとなくイメージできるかなと思います。

ガス漏れの原因を考える

海老澤
それではここからガスを入れていく、のではなく、なんで漏れてたのかっていうところですね。ここも非常に大事になってきます。実際の私の現場での施工内容を全てさらすような感じになると思いますが、決して教科書通りのやり方ではないですね。そこに関して、業務用の空調機を何年もやってますみたいな人が「おいおいちょっと待てお前窒素を使わねえのか」とか「あそこをなんで見ねえんだよ」とかそういう色々が出てくるかもしれないんですが。ここからやるやり方に関しては実際にお客様からいただく金額と弊社が提供できる技術と時間のバランスを見て、統計的に、かつ確認をしながらしています。ここは絶対に直した方がいいところ、ここは確認して、ちょっと怪しかったら直した方がいいところという形で進めていきます。やっぱり業務用の修理をやってらっしゃる方っていうのはまたちょっと修理の仕方が違うんです。
そこは何が一番の原因かというと予算の話です。業務用の修理っていうのは空調機が何百万円っていうものを何十万円かけて直します。ルームエアコンは10万円前後のものを数万円で直すっていうことです。そこの差が出てきます。その上で私が出した最適解なのでこれが正解だよって意味じゃないので、その点だけご了承ください。
ではやっていきたいと思います。まずこの設置状況を想定していきます。まず、マンションですね。防水加工がしてありますね。

2023-08-16 16.17.07

例えばマンションの場合だと、最近防水加工したり、外壁塗装をしたり、あとは大規模修繕等そういった時に事業者さんが室外機をゴゴゴッと動かしたりそういったことがあったりします。それが最近なかったとしても「外壁塗装なんかやったの4年前だよ」とかそういう場合でも、その4年前に動かした室外機からガスが微量に漏れて、それで4年間経って今効きが悪くなってるということが全然あります。つまり、あの時の何々が原因というのは分からないので、まずその可能性がある場所は接合部分ですね。

2023-08-15 15.14.17

やっぱり動かした時にここの接合部分は漏れる確率が高いです。なので、弊社は必ず100%ここをやり直します。ここの漏れとか確認せずにもう直します。

室外機の配管を接続し直す

海老澤
まず配管を外していくんですが、ここは大事なポイントです。まず、外す時はこのナットを緩めるんですが、この時にグッと下げてしまうと根元部分に負荷がかかりますね。

2023-08-15 15.17.22

ボキッと折れてしまう可能性があるので、二丁がけしてください。縦にモンキーを挟んで、左のモンキーを上にグッと押し上げながら。根元に負荷がかからないように、上げすぎも良くないですよ。

2023-08-15 15.18.44

上げすぎると逆に折れちゃうので、左手を上に上げながら右手を下げます。グッとやれば、あとは簡単に外せます。3分も一緒です。モンキーを挟んで左手を上に上げながら、右手を下げます。こっちは硬いですよ。特に3分の時は力がいるので絶対に右だけでグッと下げたりしないでください。最初グッとトルクがかかれば、あとは指で外れます。これは実際の現場なので、2分管に白いちょっと錆びたような感じがありますよね。

2023-08-15 15.21.50

これは漏れた跡の可能性、疑いのある部分として挙げられます。逆にこっちの3分管の方は青錆び的なものがないんですね。似たような錆びがないので、3分側は漏れてなかったのかなという仮説ですね。ただ一度外してしまってるので、ここに関しては一度フレアを切り直します。再現のガス漏れでは絶対に出ない跡なので、これはちょっとリアルですね。ではここからフレアを切っていきます。結構配管が古くて固くなってるので修理の現場の配管っていうのはやはりすごく固いです。なので扱いには気をつけてください。あまり無理な力を加えすぎると配管ごと折れちゃう可能性があります。パイプカッター(TASCO)をフレアの開いている部分を当ててます。

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そうすることで配管の切る長さを最小限に抑えることができます。設置と違うのはやっぱりここですね。フレアを切る時に配管をあまり短くしたくないです。

2023-08-15 15.34.20

切るのは1cmぐらいですかね。
バリを取るんですが、上を向けるとバリが全部配管の中に入ってしまうので、必ず下を向けた状態でグリグリ回します。ゆっくり抜いていく、そうすると全部繋がったきれいな状態です。これが繋がってるのが大事です。

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次はフレアツール(BBKテクノロジーズ)を使います。ここのツラを合わせて、ここの白い目地と矢印が合うようにします。

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ここがずれちゃうと一発でフレアツールが壊れちゃいます。1回間違えるだけで2万円弱の出費になります。そしたらこれを閉めていきます。

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そしたら逆回転します。フレアができました。こんな感じです。

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3分の方もやっていきましょう。もうガチガチに固まってきちゃってるので、パイプカッターが回らないんですよね。そういう時はカッターで1回配管の分岐を切っちゃいましょう。これは過去に一度修理してるみたいですね。こういうちょっとした跡があります。フレアは、大きすぎても小さすぎてもダメなんですね。設置の時もそうですが、フレアは本当に命ですね。ガス漏れ修理の際もフレアがちゃんと作れないと、ガス漏れしちゃいますね。これでフレアの作成が完了しました。そこで、ナイログを使います。アサダさんが出してるナイログです。こちらも塗りすぎ注意なので、ほんの少しだけ、米粒1個分くらいでいいです。

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必ずフレアの内側に塗ります。曲面を使ってグリッと塗ります。2分の方は、その残ったやつぐらいでいいです。塗り過ぎに気をつけてください。接続していきます。ここがポイントですね。接続していく時なんですが、フレアの面を合わせてナットを付けて、指1本で回るぐらいのところで回します。

2023-08-15 15.52.44

ナットがスルスルッと入っていかず、抵抗がある状態でグイッと締めてトルクレンチをかけると、それはそれでガス漏れの原因になります。必ず指1本で締まるぐらいのところで回します。トルクがガチャッと音がするまで。2分も一緒です。配管が固いので難しいですよ。多分2分が漏れてました。ここは慣れるまで結構難しいんです。左手で位置を調整しながら。指1本で回して、抵抗がなくなる瞬間にスルスルッと入れるのがポイントです。ナットを2回締めます。これでガチャッと効きますね。これで接続が完了しました。ガス漏れ防止剤のナイログも付けているので、2分から漏れてるっていうことはほぼないです。
多分2分側から漏れてたとは思うんですが、今回すごく貴重な機会なので、室内機側も見ていきたいと思います。

室内機の配管を接続し直す

海老澤
今、室外機の配管の接続が完了しました。恐らく2分の漏れたような跡は少し怪しいですね。なので弊社の場合はそういったところを写真で撮影します。それをお客様に必ず共有するようにしています。
次に漏れの可能性がある場所としては、やはり室内機側の接合部分です。今回は隠蔽配管ですね。室内機の接続を変える時は、弊社の場合このままグッと上げる時もあるんですが、例えばこのダイキンのシリーズだったりとかするとこれは簡単に分解できちゃうので、カバーごと外しちゃいます。複雑なお掃除機能付きとかだったりすると、そのままグッと持ち上げてやっていくんですが、ダイキンのシリーズだったら、結構簡単に分解ができます。細かいパーツをなくさないように気をつけてください。ルーバーを外す時にググッとやりたくなるんですが、必ずルーバー側を曲げてください。ここがポイント、大事です。割りやすいので、必ず優しくします。そしたらこのダボも外してあげます。ここもポイントです。細かいパーツは皆さんなくしがちなので、なくさないようにちゃんと置いておいてください。そしたらダイキンは上に3つツメがあります。サイドと真ん中ですね。これだけで簡単に外れちゃいます。そうすると、中が見えます。ビス留めされてましたね。

2023-08-15 16.09.57

ビスでそのまま壁に直接打ちつけられるという施工もあるので、やっぱり外しちゃった方が分かりやすいですね。今の状態だと本来ここのフックを持ち上げると外れるんですが、ビス留めされちゃってるので、外れません。このビスを外さないと、室内側の施工はできないようになってますね。
コタキさん、問題です。これは何に使う道具でしょうか?

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コタキ
こういうカエルのおもちゃがありましたよね…。

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海老澤
使い方は合ってますよ。ほぼ正解ですね。ジャッキです。まず下のフックを外していただきます。これで室内機が少し上がりますね。そしたら、背板と本体の間に入れるんですね。空気を入れることによって背板と室内機の間の空間を広げてあげることでここの接続をやりやすくする道具です。両サイドでグググッって、室内機を上げていくような感じですね。これ、隠蔽配管なので、1回施工不良が起きちゃうと直すのがすごく難しいんですね。なので、ここの中もせっかくなので、今回は見ていきたいと思います。
今、解いているのは断熱シートと言います。

2023-08-15 16.20.39

要は配管が結露して外に冷気が出てきて、配管自体が結露して水漏れをさせないようにするための包帯です。意外とこの施工ってすごく大事です。これを巻かないで設置をしてしまうと、排水経路から漏れてるんじゃなくて、この接合部辺りから水が発生してエアコンの下からポタポタ水が漏れるというような症状が出ます。今、これを撮影してるのは8月頭なんですが、やはり今、水漏れの依頼が多いです。なかなかここの配管も怪しいですね。

2023-08-15 16.23.52

若干青錆びみたいなのがちらほらあるような感じがありますね。漏れてる可能性もあるので、一旦外します。ここですごく大事なポイントがあります。これは隠蔽配管と言って、壁の中から出てきてる配管なので、隠蔽配管の本体機に接続されています。このカーブに注目してください。

2023-08-15 16.32.56

これから再接続をしようとするってことは、この配管を短くするということです。隠蔽配管ってなるべく配管を短くしたくないんです。次のエアコンの買い替えとかをした時にあまり短くし過ぎちゃうと、買い替えができなくなってしまうので、隠蔽配管の時はあまり配管を短くしたくないです。この場合、設置屋さんが多分背板を相当けがいているんですね。かなり穴が大きく開いてますよね。

2023-08-15 16.35.34

ここのスペースがあるので、穴側からグッと配管を持っていって、配管を切っても接続できると思うんですが、例えば穴の内側がもう指の平あたりしかスペースがない場合に切ったら、もう穴側から寄せることができないんですね。中から出すことはできないので、切っちゃうと、もう接続できないんです。なので、背板ごとを移動しないといけないことになります。そういった状況では、絶対に中の隠蔽配管は切らない方がいいです。
一旦今日は、せっかくなのでここから漏れの跡があるかどうか見ていきたいと思います。ここも室外機と一緒ですね。二丁がけして、右手を押して左手を引くんですね。ここは固いので必ず気をつけてください。一旦トルクが効いたら、そのまま指でいけます。漏れてなさそうですね。結構漏れてると、この表面の青錆びみたいなのがフレアの辺りまでじわじわ出てきます。なので、漏れてなかったかなというような感じですね。じゃあ、2分の方もせっかくなので見ていきたいと思います。配管の扱いは本当に気をつけてください。これを折っちゃったりとかすると、どうしようもないので。2分は簡単ですね。ちょっと白ずんでますよね。

2023-08-15 16.49.52

恐らく漏れた可能性があるかなという感じですね。長い時間をかけてゆっくり漏れたのかなという感じですね。なので、ここは切っちゃいますね。切って接続すれば、ほぼ100%そこからの漏れはないと断言できるので。ここもやはり隠蔽配管は切りたくないので、カットは最短距離です。ポイントとしては3分から始めます。3分の方が太いので、基本的には扱いが難しいですね。ここも下を向けた状態で切ります。くずが周りに落ちるので、タオルとかを添えてバリ取りをしていきます。ゆっくり抜いていきます。バリが繋がっているのがやっぱり大事です。配管の中に入らないこともすごく大事ですね。壁面側になるとパイプカッターが入らないんですね。なので、こういう時に小さいパイプカッター等が便利です。
それから接続していきます。この接続が結構難しいですね。室内機をかけた状態での、下での作業というのは結構大変です。ポイントとして2分管から接続します。基本的には、太い3分管から接続していくのですが、この現場状況を見ると細い方の配管、2分管が結構奥側をしっかり通っているんですね。こうやって後ろ側をしっかり通っている時にできればこの3分を奥に通して2分を手前にするというルートにしたいんです。しかし配管もかなり固くなっているので、そこをいじってしまうと、配管自体にかなり負荷をかけてしまう可能性が高いので、今回はこのまま2分を奥で繋げて、手前に3分を繋げていくというやり方をやっていきます。2分の方がフレキシブルに動くので、基本的に3分を繋いでから2分をやる方がやりやすいです。今日はちょっと違うやり方です。そこはもう現場合わせですね。
ナイログを少しだけ内面につけます。フレアを合わせます。ここは難しいですね。最初、噛んだらこの指1本でスルスルっと入る位置を探します。手締めで締まらなくなったら、あとはまたトルクレンチですね。必ずトルクレンチは方向が決まってるので、見失わないように。

2023-08-16 16.23.13

配管の負荷に気をつけてください。最初、隠蔽配管をいじる時は必ず配管の余裕を確認してください。接続完了です。
接続だけで終わっちゃいけないんですね。室内機側は断熱処理です。ここがむしろ、もっと大事になってきます。本体機から来ているこの断熱材ですね。これって実はすごく大事な役割をしています。この配管をしっかり覆ってあげないと、配管が冷たくなって結露して水漏れが発生するということが多々あります。ここをしっかり覆っていくということをまずしていきます。この状態だとビニールテープで留めていくのは結構難しいです。後ろに当たっちゃって回らなくなるので、一回転しないんですね。ここは部分部分で切って巻いていきます。

2023-08-15 17.18.48

ポイントポイントを押さえていく感じですね。あとは、断熱材が結構薄くなっちゃっているので、ちゃんと巻いてあげないといけません。例えば、ガス漏れの修理に来てここを触ったことで冷えるようになったのはいいけど、水漏れが起きるようになりましたと。そうなってしまったら本末転倒なので、ここを触るのはそれなりのリスクがあるので、しっかりここを覆います。特に接合しているナットが付いている部分と、この配管の断熱材と本体機側の断熱材の接合部です。

2023-08-15 17.21.08

ここは隙間が開きやすいので、開かないように、まず、テープ留めをしてからしっかり断熱シートを巻いていきます。次は断熱シートです。この巻き方も、包帯と一緒ですね。特にこの接合部分はしっかり巻きます。左側に行ったらまた戻ってきます。テープで留めます。やっぱり接合部分からの漏れが一番多いので、ここを一番肉厚にしています。あまりテンションをかけすぎると、今度はまた断熱効果が薄れてしまうので、ちょっと柔らかいぐらい、そこまでテンションをかけてないです。ふわふわ感が残るぐらいに巻くのがベストですね。

2023-08-16 16.23.52

元々の施工が、室外機をビスで壁に無理矢理留めてた感じですね。ビスでここの配管をめちゃめちゃ押さえてたっていう状態ですね。ルーバーの鍵を合わせてから反対を入れます。最後に真ん中をはめます。これで室内機側の接続も完了です。

真空引きをする

海老澤
今、室外機の接続が完了したのと、室内機の接続、両方とも完了しました。これで、私の施工自体が問題ないということを前提におけば、接続部からの漏れはないということですね。実際にガス漏れの多くは、やはり接続部から漏れてることがほとんどです。もちろん製品側から漏れていることも可能性としてはゼロではないんですが、いったんここで真空引きを行っていきます。
マニホールドとホースを接続していきます。ストレートの方を付けます。今ガスが入ってないことが分かっているので、ゴム手袋でやってますが、ガスが入っている可能性がある時は絶対に革手袋を使うようにしてください。

2023-08-16 16.25.41

接続完了したら、真空引きは必ず真空ポンプ側から弁を開いていきます。次はマニホールドの弁です。ここまで来たら、室内機との接続が室内機というか配管内と接続されているので、今真空引きがスタートしています。中に入っている水分とかがどんどん出ている状態です。本来ならここで室外機も含めて全て真空引きを行っていくんですが、ここで一旦、室外機の縁を切ります。その時は、2方弁と3方弁のナットを開いていきます。本来ここは開かなくても施工自体はできるんですが、ここをあえて開くのには理由があります。まず2方弁をグッと閉めます。そしたら3方弁をグッと閉めます。

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なんでここを閉めるの?っていう声をコメントでもいただいていたので解説します。確かに見方によっては、閉める必要のない場所なんですね。今ここを閉めたことによって配管の中から室内機までを真空引きしてるんです。室外機の真空引きは、今してないんですね。なんでここを閉めたのかは、室外機も真空引きしてそのまま真空試験という形です。要は真空の密度が保たれているかを確認すれば、良いじゃないのっていう話なんですね。まさにその通りなんですが、室外機の中は実際、今回正しくガス回収させてもらってるんですが、やはり中に、機械油に入った冷媒だったり、機械の隅にあった液冷媒など、そういったものがまだ入っているんです。
そういったものをしっかり排除した上で真空引きした数値を見ないと、正しい数値は見れないんですね。なので、室外機を繋いだまま真空引きを行って真空試験を行うと、数値がかなり乱れるんです。その理由は中にまだ不純物がいっぱい入っているからです。じゃあ、その不純物を取り除くのに真空引きはどれぐらいの時間をやったらいいのかというと、一応ダイキンさんに確認した数値だと真空ポンプで1時間ぐらい引かないと正しい数値は測れないという話でした。1時間毎回この真空引きをしていくとなると、ここはやはり予算だったりとか経済的な部分でのお話にはなってくるんですが、そこに時間をかけることができません。このルームエアコンの場合だと、私の場合は室外機の真空引きをしないで、配管の方の真空を見るやり方を取っています。逆を言えば、室外機から万が一漏れてた可能性としてはゼロではないんですが、確率としてはだいぶ低いです。さらに、漏れてたとするとこれは直すのが非常に高額の修理になってくるんですね。それを払ってでも直す人というのはなかなかいません。ルームエアコンの場合、修理で10万円とかかかってきます。なので、ここから漏れてたとすると、買い替えた方がいいよねっという判断になる場所です。もちろん年式にもよるんですが。5年以内とかだったら、そこはもうお客様に「こちらの場合だと5年以内だと実はメーカーが保証してくれます」といった提案をなるべくするようにしています。室外機の真空引きにすごく時間がかかってしまうので、一旦ここを閉めるやり方で、配管の方だけで見ます。確率的な話でここを一旦排除しているということです。ここの漏れが分かったとしてどっちにしても買い替えになってしまうので。やっぱり時間を短縮するためにこっちを塞いでからします。実際に前の動画でコメントで指摘いただいたので、そこをやるようにしてます。もともとはこっちも真空引きしてたんですけどね。なかなか数値が良くないので、なんでだろうっていうことでダイキンに直接聞いたら、そういった回答をいただいたのでってことです。このままこの状態で10分置いていきます。
今、真空引きを開始して約10分経過しました。今、室外機を除いた配管までの真空引きが完了しています。ここの数値は0.098です。

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本来、0.0100が理想なんですが、この辺は誤差ですね。これぐらいの数値のブレはあるので。

真空試験をする

海老澤
ここから真空試験を行うんです。ホースの緩みから真空状態が解けてしまったら全く判断基準にならないので、必ずホースの緩みを確認した上で真空計の一番奥の部分から始めます。真空ポンプの弁を切ります。今この状態、0.099という数字になってますが、10分間数値を見させていただきます。真空度合いがそのまま保たれるようであれば、ガスは漏れてないよ、真空が保たれてるよっていうことです。そのまま室外機も真空引きをしてガスを入れていきます。ここの数値がやっぱり98、97、96と真空度合いがどんどん悪くなっていくと、空気が入ってきてしまっている状態ですね。そういった場合は重篤なガス漏れが起きてるよという一つのサインです。真空試験をパスできない場合はそのままガスを入れないという結論に至ることもあります。今回はエアコンの下を開けて見ましたが、例えばそこが3階や2階などの、高所作業を伴う場所で接合されてる場合はやはりこの真空試験で数値を見ながら、その上がどうなっているのかを確認する時もあります。ただ、ここに関しても真空試験というのは100%ガス漏れを見分けることができるというものでもないです。真空試験はパスできるけど、ガスの圧力だと漏れてくるというようなタイプのガス漏れも中にはあったりするので、そこに関しては本来なら窒素を入れて見るのが一番理想なんです。高いところも上ってちゃんとそこも確認するのが理想ですが、それを全てやってるとどうしても予算も変わってくるところなので、まずこの真空試験を弊社では一度判断基準としています。その後またさらに真空引きを行ってガスを入れていくという流れになります。一旦このまま10分間置きたいと思います。
真空試験10分が経過しました。0.099からのスタートに対して0.098と0.099を行ったり来たりという状態です。0.001は誤差の範囲内なので、全然問題ない数値ですね。なので、真空試験OKということにして、ここからさらに室外機の真空引きも行っていきます。

室外機の真空引きをする

海老澤
真空ポンプをオンにして弁を開きます。2方弁、3方弁を開いていきます。両方とも開きました。この状態で、室外機はまだ水分などが入っている可能性が高いので、またさらに10分、もしくは15分くらい置いていきます。室外機の容量が大きければ大きいほど最大で30分くらい置いたりする時もあります。今回は15分で真空引きを行っていきたいと思います。

冷媒ガス充填の準備

海老澤
室外機を含めた真空引きが15分で完了しました。ここからガスを入れていきます。まず一旦、真空引きを解く時は室外機側から弁を閉じて、電源を落とすという感じですね。
次に登場してくるのが赤いホースです。ここから赤いホースを接続します。今ガスがまだ入ってない状態なので、素手でしてますがここから先の作業は必ず手袋をした状態でしていってください。真空ポンプから外しちゃいます。チャージングスケール(TASCO)、量りですね。

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電源を入れます。今真空ポンプに繋がっている黄色いホースをそのままボンベ側に接続します。ここちょっと接続しにくいんですが、器具とかプライヤーとかペンチとかは絶対に使わないでください。ボンベの接合部分が損傷してしまうとガスが噴出してしまうので、気をつけてください。

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赤いホースを真空ポンプに繋ぎます。この状態だと、この赤いホースと黄色いホースの中に空気が入っているので、真空引きしていきます。真空ポンプの弁から開けて、それからマニホールドです。青いホースの中はもともと真空引きがされていた状態なので、これでOKです。それからまたマニホールドの弁を閉めて、真空ポンプの弁を閉めて完了です。この状態で実際にガスを入れていきます。一旦ここで室内機側に戻って実際に冷房運転もしくは強制冷房運転をやっていくので、一回中に行きましょう。

電源を入れて冷房運転をする

海老澤
そしたらまず電源を入れていきます。今は夏場なので、最低温度の冷房運転でOKです。ただこれが冬場だったら強制冷房運転、長押しです。では冷房をかけていきましょう。18℃、風量MAXですね。運転ランプが点いたので、また外に行きます。

冷媒ガスを充填する

海老澤
これからガスを入れていくんですが、ガスチャージは冷媒を扱うので非常に危険です。
必ず革手袋を使うようにしてください。まず冷媒の種類を確認してください。R32、冷媒の量0.5kgと書いてあります。

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これはどの室外機にも基本的には書いてあります。なのでR32を0.5kg充填します。ボンベにHFCって書いてありますが、これはR32ということですね。

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こちらを500g充填していきます。今もうガスを全部回収した状態なので、500gを目指していきます。そこは何を見るかというとチャージスケールですね。今は量りが0の状態なので、-500gになるところを目指していくような状態です。ここが一番大事なところです。最終的にマニホールドのバルブを緩めた状態でガスを入れていくんですが、例えば、マニホールドを持ちながらやったりすると、重さが変わっちゃうんですね。重さが全然変わっちゃいます。この重さが変わってしまうと、例えば500gを入れたいのに500g以上のガスを入れてしまうきっかけになってしまう。ガスは規定量よりも多く入れれば冷えるとかは一切ないので、必ずその規定量でぴったりにしないといけないです。絶対にホースが干渉しないようにします。ここ一番気をつけてください。過充填の原因になります。エアコンのガス漏れ修理で一番やってはいけないのが、過充填です。気をつけてください。
0点に合わせてチャージバルブを接続します。

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ガスの元栓も開放します。ゆっくりですね。半回転ぐらいでOKです。圧力が変わりましたね。それではこの状態で500gを目指してガスを充填していきます。ここの窓に注目してください。そうすると液体が流れていくのが見えますね。ここの窓に今の冷媒の状態が映っています。

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そして同時に、今ガスがゆっくり入っていってます。だいたい1秒に10gずつぐらい入っていくようなペースでいくといいですね。あまり早く入れすぎると、逆にコンプレッサーまで液冷媒が到達してしまう可能性があるので、気をつけてください。ゆっくりで大丈夫です。今3分管がめちゃめちゃ凍ってますね。

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これは冷媒が流れていることで凍っています。これは何か症状が現れているわけではないんです。話している間にもう大体450gになりました。絶対この場を離れちゃダメです。この辺でストップ、500g、ちょうどいいですね。まだホースの中にガスが残ってるので、規定量に達したら一番最初にやるべきことは元栓を閉めることです。これ以上ガスを入れたくないです。過充填は絶対したくないので、元栓は必ず閉めてください。1回ここでポンプダウンを行います。室外機の中に一時的にガスを閉じ込めるということです。その時にホースの中のガスを吸い込ませるということですね。2分管と3分管を閉めます。そうすると配管の中の圧力がグーッと下がってきます。

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これは配管の中のガスが回収されていってるよという合図です。圧力がある程度下がってきたら、今度はこの黄色いホースの中の冷媒も回収させたいので、青い弁を少し開きます。そうすると、またここに冷媒が流れますね。全開にすると落ち着いてきます。これでホースの中の冷媒がほとんどなくなっている状態です。ほぼゼロに近づいたことを確認したら、まずチャージバルブの縁を切ります。チャージバルブの縁を切って外します。外した状態で2方弁を開きます。これで今、エアコンのガスがしっかり全部に行き渡ってぐるぐる回っている状態です。正常な状態になってるはずです。
その証として生暖かい風が室外機から出ています。これが出ているということは室内機の方は冷たい風が出ているということになるので、これでガスのチャージが完了しました。そしたら一旦片付けます。

過熱度計算をする

海老澤
今、ガス漏れの修理自体が一通り完了した状態です。つまりは、正常運転をしているエアコンということになります。正常運転をしているエアコンの運転圧力は1.18の状態です。今、外気温が約40℃くらいになっているので、実際の運転圧力よりもちょっと高い位置ではあるんですが、気温が高くなると運転圧力も高くなるのは相関性があります。なので、1.18の圧力に対する蒸発温度が12℃です。蒸発温度が12℃なので、先ほどの過熱度計算:

(圧縮機吸入管温度)-(12℃ 蒸発温度)=5±3℃

では、3分管を見ていきます。21℃ですね。

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21-12=9 1℃はちょっと高くなっているのですが、1℃であれば誤差の範囲内かなというところです。5℃以上とか差がついてくるようだと、正常値からだいぶ逸脱していて冷凍サイクルとして良くないという判断にはなるんですが、過熱度9であれば、そこは異常値ではないので正常な運転と判断して大丈夫です。

温度を確認する

海老澤
室内機の方にやってまいりました。一通りの施工が終わった状態です。今、大体空間温度が28℃ですね。元々が4℃くらいしか冷えてなかったです。それがどれくらい冷えるようになったのか見ていきましょう。だいたい18℃くらいですね。

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約-10℃の力が出てます。もともとのガス漏れは約40%残量くらいの状態でエアコンが4℃くらいしか冷えないという状態だったので、それが今10℃冷えるようになりました。真空試験も問題ないです。室内機、室外機の接合部分も再接合しているので、このままお使いいただいて問題ないかなという形です。

エンディング

コタキ
海老澤さんに作業をしていただきました。前回のガス漏れ修理の実践編ということでした。

海老澤
実際の現場で見ていくと見ていくところはどんどん変わっていくんですよね。建物の作りだったり、その建物で今まで何があったのか、そういったところも見ていくのを大事にしています。

コタキ
すごく勉強になる内容だったと思います。今回の現場も「冷えない」という依頼でしたが、冷えないなと感じた時は海老澤さんのようなプロにご相談するのが一番いいですか?

海老澤
「エアコンが冷えない」って原因が様々なんですね。今回はガス漏れという形ですが、他にも様々な故障の種類があります。「前はもっと冷えてたんだけどな」とか、あとは設定温度が「こんなに低かったけ」みたいな初めはそういった違和感から始まってくることが多いと思います。この動画も見ていただいて、そして何か疑問を感じることがあればご相談で構いませんので、くらしのマーケットの方からご連絡ください。例えば「これって買い換えた方がいいのかな」とか「修理でなんとかなるのかな」というところはすごく大事なところだと思います。営業とかじゃなくて、そのお客様にとってどの判断が一番いいのかを大前提に置いて、私も一緒に考えさせてもらっているので、いつでもお気軽にご相談ください。

コタキ
そしてこの動画を見ている事業者の方で、ガス漏れ修理のやり方などを詳しく知りたい方がいると思うんですが、海老澤さんのところで教えていただけるんですか?

海老澤
神奈川県の大和市の研修所で、エアコンの設置からクリーニング、修理の流れまでを学べます。修理というのは基本的に設置の基礎やクリーニングの分解する力が備わっていないとなかなか修理はできないので、修理というベースで全ての技術を教えています。くらしのマーケットの出店者さんからも多く参加いただいています。例えばクリーニングをやってらっしゃる方、設置をやってらっしゃる方で修理の技術を持っていると、やはり一つの信頼にも繋がるかと思います。お仕事の幅も広がり、忙しくなる時期も多少変わってきたりするので、そういった意味ですごくプラスの内容は多いと思うので、ぜひご検討いただければと思います。

コタキ
気になる方はこの動画の概要欄にリンクを貼っているので、ぜひチェックしてみてください。

動画のまとめ

一口に「修理」と言っても、フィルターのカビやホコリなどの汚れや、基板など電気系統の故障、冷媒ガス漏れなどその原因は様々です。 修理箇所や故障原因を特定するには、エアコンの基本的な構造や仕組みの理解はもちろん、エアコンクリーニングや設置工事の知識や技術も必要です。 
この動画では、停止圧力と運転圧力、圧縮機吸入管温度の測定などあらゆる箇所の数値を測定したり、室内機・室外機両方の配管の接続箇所を調査するなど、様々な角度からエアコンを調査し、原因となる事象を特定していきます。 真空引きのやり方やゲージマニホールドの使い方、安全にガス補充を行うために確実に押さえておくべき注意点など技術的なポイントはもちろん、実際の現場だからこそ現れる貴重なガス漏れの事象なども見ることができる非常に有益な「実践編」の動画です。
エアコンクリーニングや設置工事(施工)を行っている事業者の方にも大変参考になる内容です。 技術力向上、社内研修、DIYなどにぜひお役立てください。

 

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